八尋寧々についての考察

寧々は可愛い。
目が丸くて色白でニコニコしていて本当に可愛い。
今回は寧々についての考察です。

◆寧々のモデル

寧々って何だか色々な印象を持っている。
報われない恋をする人魚姫だったり、
目が赤いから寂しがりやのウサギのようだったり、
白と緑のダイコン姫だったり、
勾玉付けてる巫女さんだったり、
どっせーい農耕の女神っぽい力強い印象もある。

コロコロ印象が変わるんだけど、
自分はこれがモデルのうちの一つなんじゃないのかな?と思っています。

日本書記には、こんな記述があります。
まいどざっくり超訳で失礼いたす。
古事記は生まれる順番が違うけど大勢には変わりないです。

【イザナギ尊・イザナミ尊は
『アマテラス大神=太陽の神』
『ツクヨミ尊=夜の闇の神』
次に『足の悪い蛭子』をお生みになり
次に『スサノオ尊=残忍で勇猛な神』
をお生みになられた】

有名な三貴神が生まれたくだり。
でもあれ?
三柱のはずなのに四人いる。
何故か一人だけカウントされていない『蛭子』(ひるこ・体のどこかに不自由がある子)がいるんです。
『足の悪い蛭子』は生まれて三年経っても立つことができず、可哀そうなことに船に乗せられて川に捨てられてしまう。

この足が悪い謎の蛭子神、これが寧々のモデルなのでは。

この神様、認められずに川に流された不遇の人?生の割りには根性があって、日本書紀や古事記からは一行で姿を消してしまいますが、流された川から別の場所に辿り着いて子供の姿の海の神様や福の神になる伝承が残っています。
だから蛭子って書いてえびす(恵比寿=福の神)って呼ぶこともある。
川に流されて海を漂う間、足動かないし魚に変化して難を逃れたのかな…と想像してしまいます。

神様として生まれたはずなのに、足が動かなかったせいで姉弟とは違い、人の世界で生きるようになった海の神様と受け取ることも出来るように思う。
捨てられたときに一度死に、蘇ったとも。

本編を読んでいると、何だか大きな話になってしまいますが、花子くん(もしくはかもめ学園)の味方についている神様は太陽神『アマテラス大神』では…と思います。
(花子くん、「あまね」という名前に加えて、時々太陽のモチーフが出てきます。特につかさと一緒になると出て来ているように思う。「第19の怪」のつかさの『あまねが叶えるのは生きた此岸の者の…』のコマ、第33の怪 カガミジゴクでの眠る寧々を見つけた時の両脇の鏡は右が太陽、左が真っ黒で夜を表している…これはこの場に花子くんとつかさが揃った、という意味合いでは。これどう見ても手鏡なのに真っ黒で不気味。あと画集P84の絵も、光は雷、寧々はウロコ、ときて花子くんは太陽です。…太陽より…手が気になりますけど…)
かもめ学園の中にも太陽をかたどったモチーフがよく出てくる。
アマテラス大神は遣いに頭八咫烏(やたがらす)を使いますが、第1の怪の冒頭に出てくるカラスはそれを表しているんじゃないかなと思います。
これに対して、弟の夜の神『ツクヨミ尊』また『スサノオ尊』はつかさか七峰桜の味方についているのかな?と思わせるものが。寧々、このビッグな神様たちの兄弟が関係しているのではないかな…。※コメントにて、しずくさんにもご意見いただいています。ありがとうございます!


(つかさはツクヨミ尊が味方かなと思います…〝つかさ〟という名前、ゴーストホテルズカフェで持っている夜空の鍵、12巻特装版トランプの『姿を消した』というくだりを読むと、姉・アマテラス大神に怒られてふっと姿を消してしまった謎の宵闇の神・ツクヨミ尊とかぶる。
でも、性格や強さはスサノオ尊に似ているように思う。)

蛭子神はクスノキまたはアシの船に乗せられて捨てられたので、
寧々が命の危険に晒されたりしたりときにクスノキや葦が出てきたら正解かな!?と思っています。
どうかなぁ。

◆寧々の周りの三角形の意味

単行本の表紙の背景は三角形の模様が並んでいます。
これは魚や蛇を表す和紋の『鱗文様(うろこもんよう)』から来ていると思います。
水に濡れると鱗に覆われる寧々の事を表しているんだろうなと。

寧々が依代の札を剥がす時、境界がこの形に亀裂が入り、バラバラになって崩れていく。

この表現、

寧々の周囲の鱗が崩れる
= 寧々が人魚の呪いの檻から出て自由になった

って表現されているように見えるんだけどどうなんだろう。

依代の札を剥がす時は必ず寧々が中心にいるわけで、
寧々について何か言いたげに見える。

(逆にバラバラになる=傷つけられる と受け取れなくもないけど…自分はポジティブな方向に見える)

花子くんが七不思議の依代の札を剥がそうとするのは、本当に七峰桜の噂から守るためだけなんだろうか?と思ってしまいます。

ちなみにこの鱗紋はとても縁起が良い文様で、鬼を遠ざける厄除けとされています。

夏灯りで登場した『天冠』が三角なのも元は鱗紋から来ているとか。

能楽に登場する鬼女の衣装は鱗紋がびっしりと描かれています。
寧々も能の物語みたいに『女には強い鬼が宿っている 男は敵わない』という最強設定なのかもしれない。
寧々にはなぜか鬼設定がある でも書きましたが…寧々には『鬼』としての側面があるように思います。
この鬼の記事のしずくさんのコメントもぜひ読んでみてください。35!)


◆寧々の名前の由来は八尋殿では

寧々の名前、これまた何だか色々な意味がありそう。
『やしろ』は神社の社ということで、
神様の安らげる場所を連想するし、
『八』が入っていることで八番様になってしまうのかハラハラするし、
1年A組の色設定『白』なのも気になるし、
そもそも『八』という漢字は『とても多い、数えきれない』八百万の神を連想する。


自分はアマテラス大神ほか、貴神が生まれた産屋の八尋殿(やつひろでん)という御殿の名前から来ているのではないかなと思っています。これも記紀(古事記、日本書紀)の最初の方に載ってる。

神様が落ち着ける安らぎの場所。イザナミ尊だけでなく他の神もお産に訪れているので、安らげる場所だったのかなと想像してます(燃えながらお産してる神様もいますけど…)

寧々は花子くんだけではなく、神の名代である七不思議全員の安寧の場を作る存在になるんじゃないのかな…と思えてきます。

◆でも寧々には何だか『罪の香り』がする

そんな癒しの印象しかない寧々ですが、寧々の行動はあれ?と引っかかってしまうものがあります。

一番は『お茶会』で過去の柚木普の鍵を持って帰ってきてしまったこと。

これがどう花子くんに関わっているのか分からないけど、良い予感はしません。
あれは柚木普が持っていないといけない物だったんじゃないだろうか。

Twitterのフォロワーさんに『夏灯りで過去の柚木普に短冊をそろえさせてしまった、あれもまずかったのではないか』と言われたのもなるほどでした。たしかに、あの短冊のせいで会うはずのない二人が会ってしまったのかも。まなれのさんありがとうございます。

寧々が少しずつ、違う時代の人である柚木普の運命を変えてしまった、『罪の香り』がほんのり漂ってくる…。
(エソラゴトのアンタレスも、罪の象徴とも受け取れます)

柚木普の過去が明らかになった回『第14の怪 16時の書庫 其の四』で、
少し気になっているシーンがあります。
土籠先生の言葉。ほんの一コマなんですけど。

『空を飛びたい

動物と話したい

時間旅行がしたい…

ガキは到底叶わないような夢を見る』


どこにも行かないと言った柚木普を心配する土籠が引き合いに出した、子供が抱きそうな夢の話。

この時、背景は
『そらをとぶ』
『じかんりょこう』
『どうぶつとはなす』というカルタ、
あとめんこやベーゴマといったなつかしのおもちゃです。
めんこには柚木普が持っていた鍵のキーホルダーと同じようなロケットが描かれている。

『どうぶつとはなす』というカルタの絵はもっけであり、『もっけと話す』と受け取れる。
『じかんりょこう』と合わせて、これ、どちらも寧々がしたことある事です。

ほんの予想でしかないんですが、この二つ、寧々がした『柚木普の運命が変わるきっかけになった事』なんじゃないだろうか・・・?

『どうぶつとはなす』は、怪異と話せるような環境を作ってしまったこと。
つまり、花子くんと縁結びしたことが、柚木普の運命が変わるきっかけになってしまった。

最後、『そらをとぶ』はまだ実行されていないようです。
…考察とかではなく、ただの予想なんですが。

寧々は、『そらをとぶ』を実行して、
4歳の柚木兄弟の前に月の石を落とすんじゃないのかな?
と思っています。

これが、吉なのか凶なのかはわかりませんが…。
吉でありますように。

考察とは言えないただの予想ですみません。

◆寧々には『死』と一緒に『蘇り』のモチーフがくっついている

寧々はとことんついてない。
花子くんとした縁結びは『人魚の呪い』で半分怪異になってしまうし、
残り寿命が短いし、
死神の笛の音は聞こえるし、
家の部屋の番号は『504』だし(コロシ?)、
とことん死のイメージが付き纏っているヒロインだなと思います。

同時に、『再生する』『蘇る』モチーフも多いように思います。

『鱗文様』は『龍』の鱗に見えることから『生き返る』ことを表現する模様と言われている。

↑でモデルになったと思っている『蛭子神』は捨てられた時に命を落とし、人里で復活したとも受け取れる。

『八尋殿』は神様が生まれる場所であり、命の誕生をイメージさせる。

寧々は、一度死んでしまうのは避けられないように思う。

そこから生き返る、という流れになるんじゃないのかな?と予想しています。

思うことつらつら書いていたら長くなってしまった。
また思いついたら追記します。
寧々の考察おしまい!

  • 表紙のウロコ模様は、12巻特装版はダイヤになってて『あっ違う世界なんだな…』というヒントみたいに使われているのも面白いです
  • 足音がドスン!とよく響くのは生命力の演出なのかなと思っています(花子くんとの対比)
+8

メッセージを送る

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

お名前は自由に変えてください。そのままでも大丈夫です

いただいたメッセージ
(ありがとうございます)

  1. この考察すごく為になって凄いなと思ったのですが、「空を飛ぶ」の話、エソラゴトから脱出するときのあれは空を飛んでいることにならないかなと思いました。急なコメント失礼しました。

    1. あ、ありがとうございます!
      載せていただいて〜
      私も同意見です
      あと、寧々はカンナギがモデルなのではと思います
      カンナギは水の神様で、縁結びの神様でもあります
      花子くんとの縁結びはその伏線なのではと思います

      1. カンナギと呼ばれる神様がいるのですね!?
        水と縁結び、まさに寧々そのものです…!

    2. 美術室の幽霊さん、コメントありがとうございます!
      たしかにあの時、寧々は空飛んでましたね〜。
      とても夢のあるシーンで素敵でした…
      あれも花子くんの行動が変わる大きなきっかけでしたよね!

  2. 考察の中で出てきた八咫烏ですが光くんかなぁと思ってます
    八咫烏は導きの神様で交通安全の神様でもあります
    これは光くんのピアスに当てはまるかな?と思いました
    そして八咫烏は雷神でもあります
    でもやっぱり考察いつもすごいですね!
    お疲れ様です

    1. なるほど…!!光の『交通安全』、ヤタガラスから来ているかもしれないですね…!
      あの冒頭のカラス、二本足なので画像はイメージです、ではあるとは思いますが、ヤタガラスは何かしら人間を導くために神様が遣わすので、かもめ学園にも遣わされたという事なんじゃないかと思うんです。
      七不思議なのか白杖代なのかもっと別のものなのか…文脈から七不思議たちかな…と思っていましたが、
      『源家』も人を導くお役目を追っているとしたら面白いです。敵対しているけれど目的は一緒、という…。

  3. たしかに!
    そうかもしれないですねー!
    それ、すごく面白いですね
    カラスよく出てきますよね
    ミツバくんは鳩がよく描かれてるけどなんなんでしょう?

    1. 鳩も良く出て来ますよね。特にミツバ編で沢山!
      ミツバ編とカガミジゴク編は聖書やキリスト教のお話が元ネタと思います。
      人間の魂、特に『理性』が奪われ、魂を集めて人の魂を注入してミツバが出来た所とか特に…

      なので、鳩は『天との和解』『天に導いてくれる精霊』役割扱いではないかと思っています。

      ミツバ回で『僕にとって大切なものかな』で画面いっぱいに鳩が飛んだのは1番成仏(キリスト教的に言うと何になるのでしょう…天に召される…?)に近いシーンだったんだと思います。

  4. ヤシロの元ネタは八百比丘尼も混ざっていそうですね。人魚の肉(ウロコですが)食べてますし

    1. 人魚を食べた不老長寿の尼姫とか巫女さんですね。繋げて考えたことなかった…なるほどです…!